EDIT
青山一丁目駅、外苑前駅のちょうど中間に位置する今回の物件は、数々の大手企業が拠点をかまえる青山通り沿いから少し奥に入ったところにある。賑やかな青山通りとは違い、とても静かな住宅地といった環境だが、少し歩けばコンビニでもカフェでもなんでも揃う意外と便利な立地でもある。そんな一画に建つコンクリートとガラスのモダンなデザインマンション。小さめなボックスが、程よい感覚で3つ置かれたような作りで、今回の物件はその中の一画にあった。
ほぼほぼ専有と言える直通階段を上った3階部分が今回の部屋となる。室内はいわゆる1LDKの作りで、LDKの大きなガラス面は、何の変哲もない外の風景を、まるで一枚の絵のように切り取っている。残念ながら写真では見えないが、遠くに六本木ヒルズやミッドタウンなども望めてしまう。晴れの日にはもちろん、個人的にはシトシトと降る雨を見ながらコーヒー片手に仕事を楽しみたい窓際だ。わりと大きめなシステムキッチンも付いているので、料理好きなスタッフにはランチの料理番を任せても良いだろう。キッチンのサイズに合わせて造作テーブルを置けば、ちょっとしたカフェ風の打ち合わせテーブルとしても使えそうだ。玄関を挟んで反対側には、小振りだが2人ほどのデスクが置ける寝室もある。作業など、少しこもってやりたい仕事の際には良さそうな一室だ。その隣にはユニティーがある。事務所としてはなかなか懸念されがちな風呂付きのスペースだが、内装はまるで海外のホテルにでも来たかのような、ドット柄の可愛らしいタイルが張られているため、なかなか面白みのある空間と仕上がっている。徹夜明けには一風呂浴びて帰ったり、夏などは出先でかいた汗を一度リフレッシュさせ、その後の仕事に切り替える事も出来るだろう。
元は住居なので住まいとしてはもちろんだが、働く環境としてもうらやましい空間と感じる。室内の印象を一言で表すと、「優しい」という感じか。使われている素材の色味の効果か、大きなガラス面が映し出す外の風景や射し込む光のためか、もしくはただただその日の天候のせいだったのか。不思議と「やさしさを感じる空間」というのが印象に残っている。きっとその空間に立てば感じて頂けれるだろう。
EDITOR’S EYE
それぞれの区画には、比較的感性が鋭そうな事務所が多く入居しているように見えた。そのような人たちが集まる小さなビレッジのように、お互いの感性を高めつつ、共有しながら働いていけそうな環境のように感じる。