EDIT
神宮前交差点、ラフォーレや東急プラザがひときわ存在感を放つその交差点は、原宿・表参道・渋谷の3点をつなぐ起点になっているように思う。そんな交差点から渋谷方面、ワニを脇目に裏手の道に入ってすぐ。これほど駅近にしてこの空間、この条件。おすすめせずにはいられない物件を見つけてしまった。
扉を開けると約3.2mの天井高にはっとする。真っ白に塗られた壁に天井。黒いツヤのある床。あらわになった配管、空調、ライティングレール。水回りは最小限。どれをとっても余計な要素がなく、落ち着いた色気をたたえたなんとも魅力的な空間だ。ふつう地下というのは湿気っぽくなりがちだが、この区画には充分なドライエリア兼バルコニーがついているので、湿気臭さはみじんも感じられない。明るさもそれほど悪くない。前テナントのデザイン事務所が残していったのであろう、備え付けの白い棚。これもまたいい味を出してくれている。本当にいいものというのは、わざわざ飾ったり多くを語ったりはしない。何も言わなくとも伝わってくるその魅力がたまらない空間だ。
最近よく聞く”SOHO”というのは、スモールオフィス・ホームオフィスの略で、オフィスと住まいを兼ねるという意味が含まれている。それならこの空間では、”SOSO”=スモールオフィス・スタジオオフィス、兼ねるのはオフィスと”スタジオ”にしてみてはいかがだろう。例えばデザインやアパレルの仕事中、ちょっとしたブツ撮りをできるスペースがオフィスにほしいという場面は多いのではないだろうか。片側の壁に長テーブルを寄せて作業机として、反対側の壁には簡易的なスタジオセットを用意しておく。必要に応じてパパッと機材を広げれば、ミニスタジオの完成だ。ブランド力のある駅からこれほど目と鼻の先に位置していて、なおかつこの条件というのは、みすみす見逃す訳にはいかないだろう。ピンときた方、ぜひともお急ぎ頂きたい。
EDITOR’S EYE
せっかくの大きな窓からの景色が、壁に向いてしまっているのは悲しいという方。このドライエリアを植物で満たして、オフィスから見える景色を変えてしまうのはいかがだろう。たったそれだけのことで、さらに素敵な空間になる様がありありと想像できてしまう。