EDIT
南青山の住宅街。表参道の交差点を外苑前の方に進み、青山三丁目交差点の少し手前で右側に曲がる。1本入った裏通り的な道も、はじめこそは飲食店等が軒を連ねているが、進むにつれて、いかにも青山らしい静かな住環境へと移り変わる。そういった中にもオフィスは点在しているようで、住宅街には少し浮いてしまうようなおしゃれな人たちの人の流れもある。距離的には駅から10分も歩かないそんなところに、大通りの人の流れの喧噪から無縁とも思えるこの空間はあった。
3階建ての3階部分。ワンフロアに1区画の建物のため、人の出入りは少ない。外壁は質感のあるレンガ仕様で、シックな色合いのため経年変化も味のある雰囲気へとかわり、経過した築後20数年が目に見えるかたちでこの建物の魅力として加わっている。室内は180平米超の大きな空間で、基本はレジデンスでの募集のため、ゆったりとした4LDK+スタディルーム。水回りもゆったりとしたキッチンにサウナ付きの浴室、それとは別にシャワールームも付いているという贅沢の極みともいえるプランだ。リビングと和室に面するかたちで南側に広がるテラスは、室内をより広く見せてくれるのと同時に、普通のオフィスビルではなし得ない、すぐに外に出られるリフレッシュスペースとしての活躍も期待できるだろう。
静かな環境、ゆったりとしたキッチンに、サウナまで付いた浴室。無駄とも思える長い廊下は、ちょっとした贅沢さを感じる余白のようで楽しめるだろう。
冬は自席から離れて、ラップトップを持ち込み掘りごたつで働く。人数に限りがあるので、早い者勝ちとなるのは必至だろうが、場所取りのために少し早めに出勤なんてことにつながったら面白い。
住宅仕様だから得られる穏やかな環境。低層の住宅が続く街並だからこそ得られる南青山の空も近い。「こんな家に住めたらきっと素敵だろう。」という空間で、働いてみるというのはいかがだろうか。穏やかに、和やかに、それでいてトコトン集中できるという、良いスパイラルに導かれるのではないだろうか。
EDITOR’S EYE
1フロアの住宅で180平米という広さはかなり広い。一番端の部屋を仮眠室や、終電を逃してしまったときの宿泊部屋にするのもいいだろう。プラン的には孤立しているポジションに位置するため、寝具なども隠せて生活感を感じさせずに働く環境を整えることが出来るだろう。