EDIT
>>LOCATION
感度の高い人々が集う、青山周辺エリア。メインとなり得るスポットが多いからか、呼びやすい名が付けられた通りも多い。その中でも変わっているといえば、曲名にもなった”キラーストリート”。今回の物件は、そのキラーストリートの中でもよく知られる、ワタリウム美術館のお向かいさんに位置する。目の前にある交差点は、表参道より続くまい泉通りとの交差路だ。外苑前からはもちろん、表参道からも徒歩8分程。どちらからのアクセスを選んでも、ジャンルを問わず充実した道のりになっているので、訪れる人を飽きさせることはないだろう。
>>SPACE
建築家の椎名英三氏が手がけたというこちらの建物。スッキリとした中にセンスが伺える外観も印象が良い。ワタリウム美術館と道路を挟んで見上げると、この境域のエリアがぐっと魅力的にうつる。1Fには、それこそ名の知れた、ミナペルホネンのショップが店を構える。そしてここ3Fには、著名な海外アパレルの日本事務所が20年以上入っていたらしい。室内はすでに原状回復されてしまっており、その年月で蓄積されたであろう”味”のようなものは、身を潜めてしまっている。照明はところによりダウンライトだったり、蛍光灯がおさまっていたり、テイストがちぐはぐな部分もあるが、玄関先のアールを描く大きな窓や、ななめに貼られ、空間に広がりを感じさせる床の工夫など、ポテンシャルは持った空間だといえよう。
>>WORKSTYLE
立地からして、オフィスだけでなくショールームを兼ねるのにも適したこちらの物件。間取りは1ルームだが、形がやや変わっているので、ゆるやかに空間の役割を分けることができそうだ。入ってすぐの視認性もあるエリアは、もちろんショールーム。交差点に向かって切り取られた窓は、信号待ちの人々の目に多く留まるだろう。奥はワークスペースで、水回り前にあるさりげない窓際の空間は、ミーティング&くつろぎスペースとすると具合が良さそう。このままの状態でももちろん使えるけれど、欲を言うならば、天井を抜き、照明はレールにスポットライトとし、床は本物の木を用いたフローリングにするなど、どこかあとほんの少しだけでも空間の色気を惹き出したいところ。
夜になり空が暗くなるにつれて、暖色系に照らされていく室内は、ゆるやかな弧を描く窓越しにより魅力的にうつるだろう。自分たちで生み出した商品はもちろん、窓越しに垣間見える自分たちの働く姿も、プロモーションの一貫となりうる空間だ。このスペースそのものをショーウィンドウ越しの空間と捉え、生み出す商品のみならず自分たちのワークスタイルもひっくるめて、この先どうやってブランドを確立し続けていくのか。この空間とともに模索し、是非探し当ててみてほしい。
EDITOR’S EYE
近くには、ジャンル豊かな食べ物屋さんが点在しており、ランチや夜食に困ることはないであろう。特に気になるのは、世界のあらゆる食文化を体験できるWORLD BREAKFAST ALLDAY。朝ご飯と言いつつも、ランチや早めの夜ご飯までなら空いているようなので、新たなひらめきへの刺激がてら、ぜひ訪れてみてほしい。