EDIT
代々木上原の駅から徒歩2分。駅周辺にはおしゃれなご飯屋さんがちらほら。わかりやすく大きな通りに面している訳ではないけれど、とにかくアクセスが良いことから、来訪者のアテンドはしやすい立地だ。募集区画の下の階には、洒落たテイストの飲食店が入っており、外観も含め全体に漂う雰囲気はよい。募集は2、3Fメゾネット部分。建物正面には2Fへの直接アプローチがついていて、その階段を登ってゆくと、ガラス張りの専用エントランスが出現する。
室内は、全体として素材や色の当て方が印象的で、どこか独特な雰囲気を纏っている。エントランスから入ってすぐ、メゾネットの下の階にあたる空間は約2.8mの天井高。随所にある窓からの光も手伝い、予想以上に開放的な室内が広がっている。壁に入ったスリットのような窓からは、光と陰が交互に連続することで、ただの通路さえも特別な場に演出してくれている。メゾネット上階の階段の先にはトップライトがあり、やわらかい光が射し込んでくる。しかしその奥の空間はまた違った雰囲気で、下の階と比べると少し暗いように感じられるだろう。屋根裏の、ちょっとした秘密基地のような印象だ。そんな、2つの顔を併せ持った空間も、使い方次第でユニークなオフィスに変わる可能性を秘めている。
仕事柄、夜を越えてしまうクリエイティヴ系の方も多いだろう。だがここには頭を冴えさせるシャワーも、ちょっとした夜食のためのミニキッチンも、きちんと備わっているのでご安心いただきたい。光で溢れる下の階を普段のワークスペースとすれば、仕事上ツラい局面がきても、これまでよりも穏やかに業務をこなせるかもしれない。そして上の階、光がひかえめな空間をネックとして扱うのではなく、仕事時には、プロジェクターで壁にプレゼン資料を投影したりして、一風変わった打ち合わせスペースにしてみてはいかがだろうか。さらにソファをどかっと、加えてクッションをぽつぽつと置いたりして、時には鑑賞会を開き、人を招いてお酒でも飲みながら歓談できるような、そんなくつろぎの空間に変容させるというのも悪くないだろう。
メゾネット上下階のこの2トーンの差を、あえて活かす。ちょっと癖のあるくらいのものを探し出し、自分で活かすことを楽しむ人には、たまらない物件かもしれない。この空間を発掘し、新たなワークスタイルを創出する機会を、ぜひ手に入れてみてほしい。
EDITOR’S EYE
メゾネット下の階の壁には、ゴールドのラインが一本ずっと壁をそっている。好みが分かれるところかもしれないが、写真では分かりづらいので補足しておくと、質感的にチープ感は意外にないので、アクセントとして成り立っているようにも思う。