EDIT
表参道骨董通りの少し脇。根津美術館周辺は、表参道エリアの中でも、華やかさというより、穏やかさといった大人な青山らしい雰囲気を持っている。この建物は、もう40年以上も前からこの地にあり、現在も尚、緑豊かな根津美術館の庭園を望むように建っている。
建物は1971年築と年期の入った風体。しかし、さすがこのエリアの建物だけあって、都度のリニューアルや丁寧に管理されており、老朽感というものは感じない建物だ。路面に店を構えるショップもこのエリアらしく存在感のあるおしゃれなものなので、ぱっと見た感じ建物の年齢を感じさせるものは殆ど無いのではないだろうか。
今回の募集区画は最上階+アルファ。増築された部分でもあるため、空間としての仕様は頼りないところもあるが、その弱点を十分補える抜け感とロケーションの魅力がここには備わっていた。現状ボロボロの室内は、前テナントが退去したまま。この状態がスタートであれば、潔く自分たちの好みにリノベーションすることも判断できるだろう。ペントハウスといえる最上階は、大きなルーフバルコニーがついており、根津美術館の森の先に六本木ヒルズなどが望める、いわば特等席なポジションだ。見渡せば青山一望。他の建物より頭1つ分目線が高いため、この一帯の中心にいる様な錯覚すら覚える。
室内は好みの空間に改修し、緑と街と空を一望するポジションに陣をとる。忙しいと引きこもりになりがちな働く時間をも、窓からバルコニーに出るだけで、安息の時間へと瞬間的に変えてくれるオフィスとなるのではないか。
人気高い青山エリアでの特等席という、羨望の的となるであろうこの空間は、入居者にとっては仕事場であり、プライベートガーデンの様な居心地の良さも感じることも出来る。更に、取引先や、友人、スタッフの友人なども含め、この贅沢なロケーションを共有できれば、この場所から新しいコミュニケーションや繋がりが生まれ、これまでとは異なるステージへと導いてくれるのではないだろうか。このロケーションを独占するプライベートガーデン的に利用するか、共有するパーク的な利用とするか。その使い方を決められるのは、唯一この空間を借りるあなたになるだろう。
EDITOR’S EYE
利用用途は店舗も許容されている。その為、ある程度の人の出入りも許可されるだろう。ボロボロっとした空間ではあるが、リノベーションによる再生は安易に想像出来るのではないか。希少なこのロケーションを自社のものに出来る可能性があると思うだけでも心が踊る。