代官山オフィス・店舗 | 新築デザイナーズビル
EDIT
代官山駅から徒歩3分の立地に、2016年春に竣工した新築物件がある。周辺は人通りが少なく落ち着いたエリアでありながらも、洒落たアパレルショップが点在し、代官山らしい大人びた雰囲気が感じられた。
募集区画は半地下のB1F。ただし、一般的に思い浮かべる地下空間とは大きく異なると言ってよいだろう。矩形に象られたエントランスをくぐり、白い螺旋階段の下を抜けると、ガラス張り扉の向こうに開放的な空間が広がる。室内を特徴付けるのは3.8Mを超える天井高さと、通りに面する大きな正方形の3つの窓。半地下空間とすることで相対的に窓の位置が高くなり、射し込む光が空間内を満たしていた。室内と前面道路には高低差が生まれるため、行き交う人の視線を意識した空間づくりやレイアウトが求められそうだ。
いわゆるスケルトン空間のため、空調やトイレなど、初期費用としてはある程度まとまった金額が必要になってしまうが、白とコンクリートとガラスのシンプルな内装は、そのままでも十分にお使い頂けるクオリティだろう。あえて手を加えるならば床材だろうか。無垢のフローリングで温かみを演出しても良いし、白い磁器タイルや、既存のモルタル床をクリアコーテイングするだけでも、空間の魅力は飛躍するはずだ。
店舗利用を想定した賃料設定ではあるが、ショールームを兼ねたオフィスなどであれば検討の余地はありそうだ。T-siteやログロード代官山など、近年新たな商業施設の誕生で賑わいを見せる代官山。日々新たなシーンが生まれるこの土地で、代官山の新たな景色を描き出してみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
実はこちらの建物、ルイヴィトンの店舗も手掛けられた永山祐子氏の設計。光の取り入れ方から素材の使い方、施工精度に至るまで計算された空間は、きっと入居者を満足させてくれることだろう。ぜひ一度、現地を訪れて頂ければと思う。