池尻オフィス | 戸建て居抜き空間
EDIT
>>LOCATION
松見坂から10分ほど歩いた、淡島通り沿いに立地するこの建物。通り沿いとはいえ、時折飲食店を目にするくらいで、商業性もそこまで強くはないエリア。そんなどこか味気なさのある街並みの中に馴染みながらも、独特な存在感を醸し出すこの建物をみつけた。
>>SPACE
建物が2つ合体しているように見える年季の入った築45年の鉄骨造建物。3階建でかなりトリッキーな構造となっている室内には、戸建と店舗を掛け合わせたかような不思議な空間が広がっている。
1階には広いカウンター、その奥のオープンスペースと、まるでパブのような空間が広がる。2階の広いスペースと3階のテラスが設けられた大きめの居室は、木製のサッシや雰囲気のある窓枠からほっこりとした味わいを感じ、温かみのあるイメージが膨らむ。もちろん相応の改修が必要とはなるが、ところどころに見られる石造りの壁や、味わいのある建具など、この建物が経年によって得てきた、作ろうと思って作れない独特な雰囲気に魅了される人も多いのではないだろうか。
>>HOW TO USE
飲食店やオフィスとして一棟まるごと利用するのもいいが、必ずしも人通りが多いとは言えない立地で、一つの用途で使いこなすにはそれなりの覚悟が必要だろう。それならば今の建物の個性をそのまま活かして、様々な業態を組み合わせた、多くの人が立ち寄れる空間を目指してみてはいかがだろうか。上階をプライベートなスペースにしたとしても、一部を飲食店や気の利いたショップなどのオープンなスペースとして利用すれば、地域との交流につながり、今は明確な色のないこのエリアの地域を代表する建物として認知してもらえる可能性もある。この建物が持つ元々の素材が魅力的なだけに、そんな可能性にトコトン期待を膨らませたい。味わいのある建物と入居者とのコラボ、様々な業種の人同士のコラボ、そして地域とのコラボ。これだけの交わりが生まれれば、面白くないわけがないだろう。そんな魅力で多くの人を引き寄せることができる空間を目指し、この建物との新たな付き合い方を考えてみてはいかがだろうか。
EDITOR’S EYE
訪れた時に感じた雰囲気はどこか懐かしく、まるで時が止まっていたかのよう。随所に見られるこの古めかしさをも可愛がって、長く地域に愛され続けるような空間を作り上げてもらいたい。